2014年08月19日

アップル、グーグルも導入 米国で足場固める燃料電池


http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75089640R00C14A8000000/


 燃料電池のコストダウンと性能向上が進み、日本では1kWレベルの家庭向けコージェネレーションシステムなどの市場が立ち上がりはじめた。燃料電池自動車の実用化も秒読み段階だ。そんな中、米国では数100k〜数MWクラスの大型燃料電池を使い、事業者や電力会社向けに、単に装置をモノ売りしたり設計・施工を手掛けるだけでなく、サービスまで手掛けるビジネスモデルが活発化してきた。

 燃料電池にはいくつかの種類があるが、米国で注目されるのは、数百kWクラスの「固体酸化物型燃料電池(SOFC)」と数MWクラスの「溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)」である。

 量産効果や技術開発によって装置自体のコストダウンが進むとともに、燃料の天然ガスの価格が「シェールガス革命」などによって北米では下がり、採算が取りやすくなってきた。

 サービスモデルの典型例は、オンサイトサービスの燃料電池版である。燃料電池事業者が設置のための資金を調達し、設計・施工から、長期の運営・管理までを担い、ユーザーとは固定価格で15〜20年といった長期の電力購入契約を結ぶ。


■データセンター向けに普及

代表例は、カリフォルニア州に本社を置く燃料電池ベンチャー企業Bloom Energy(ブルーム・エナジー)だ。顧客の敷地に同社が燃料電池を設置し、15年間、固定料金で電力を供給・販売する。顧客は、敷地を提供するだけで、初期投資なしで、毎月の電気代を削減できる。発電効率の高さを維持するために、常に定格で運転して排熱を使わない。需要家の電力需要のベース電源を担うサービスを提供する。

 バイオガスを使った場合には二酸化炭素(CO2)発生量はゼロに抑えられ、天然ガスを使った場合にも従来の化石燃料を使った発電よりも低減できる。また、燃焼しないことから窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの汚染物質も排出しないことからクリーンな電源としてアピールしている。

 米国では、こうしたクリーンエネルギーとしてのメリットのほか、停電時にも安定供給できる点が評価され、普及している。主要顧客は、アップル、グーグル、アドビ・システムズ、バンク・オブ・アメリカ、ウォルマート、AT&T、フェデックスなどで、データセンター用の自家発電装置を中心に導入が進んでいる。


■長期固定価格契約に挑戦するソフトバンク

 日本では2013年5月に、Bloom Energyとソフトバンクの折半出資によって、Bloom Energy Japanが設立された。同社のビジネスモデルは、米国のものを踏襲する。需要家の敷地に燃料電池を設置して、ベース電源のみを供給するサービスをスタートさせた。

 その際、初期投資不要の長期電力供給契約のほか、燃料電池を顧客が買い取ってメンテナンス契約とガス契約を結ぶ方式、燃料電池をリースしてメンテナンス契約とガス契約を結ぶ方式も提案する。

 日本の天然ガス価格は、米国に比べて数倍も高いため、一般電気事業者より低価格で電力を提供するのは難しい。そこで、単価はやや高くなるものの長期固定の料金にすることで、災害時の停電と電気代の値上がりという2つのリスクの軽減メリットを電力需要家に打ち出していく。2014年6月の記者会見でソフトバンクの孫正義社長は、「10年間25円/kWhにする」と公言した。

 日本ではこれまでに、福岡市にあるソフトバンクグループ企業のオフィスビル、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス、東京汐留にあるソフトバンク本社ビルの研究施設に各々200kWタイプが導入されている。


(日本経済新聞 2014年8月13日)
posted by kc at 09:38| Comment(0) | 燃料電池 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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